今回は、10月中旬に実施した「登別地獄谷周辺の生態系調査」についてレポートします。
1、はじめに
10月21日に登別地獄谷の生態系調査を行いました。今回の参加者は、然別湖ネイチャーセンターの坂本さん、石川さん、地元のガイド経験者Hさん、登別グランドホテルの浅利さん、そして私、都築の5名です。
この生態系調査の目的は、今後のアドベンチャーツアー企画のための事前調査として行いました。
2、調査ルート
実際に歩いたルートがこちら。2時間30分かけて調査しました。
〈赤いルート〉
大湯沼~大湯沼川天然足湯~大湯沼川探勝歩道~舟見山遊歩道~大湯沼展望台~大湯沼
最初は大湯沼の駐車場からスタートし、車道沿いの植物を見て回りました。大湯沼川天然足湯へ続くルートからは、なだらかな山中を歩き、その先の遊歩道からは序盤傾斜のある道が続きますが、徐々に緩やかな道になってきます。植物を探しながら徒歩で約2時間の周回ルートです。
この時期になると全体的に紅葉が始まっており、展望台からの鮮やかな景色がとても綺麗でした。
見られた植物については後ほど、写真付きでご紹介します。
〈青いルート〉
地獄谷展望台~鉄泉池 往復
観光のメインともなる地獄谷温泉の看板から、遊歩道を歩いて鉄泉池までを往復しました。十分な道幅と綺麗で歩きやすい遊歩道から見渡せる噴煙は、とても迫力があり、往復地点の鉄泉池では目の前で間欠泉を見ることができました。
3、発見した植物
〈大湯沼~大正地獄までの車道沿いで見られた植物〉
・ホオノキ
広葉樹、ホウバヤキなど料理にも利用される
・コシアブラ
・ヤマウルシ
実は白い、触れるとかぶれるそう
・ガンコウラン
鹿も好んで食べる
・イソツツジ
葉っぱをこするとハーブの香りがして、今でもお茶にして飲む方もいるそうです。例年より気温が高いため、本来は春に咲くはずの白い花がこの時期に咲いていました。
・ミズゴケ
黄緑色、湿っぽい
・ハナゴケ
白っぽい、乾いている
〈大湯沼川天然足湯~大湯沼川探勝歩道~舟見山遊歩道~大湯沼展望台の山中で見られた植物〉
・コナラ
通称どんぐり
・ナナカマド
小さな赤い実が沢山ついている木
・ゼニゴケ
平たく、深緑色
・モミジ
・ヤマブドウ
9月下旬ごろがピークのため、この季節に実がついている木はほとんど無かったです。
〈地獄谷〉
遊歩道の周りではほとんど植物は見られず、入り口の所々にススキが生えているだけでした。そのススキについて、火山地域に生えるものは少し赤みががっていることもあるそうです。
また、下の写真のように石と石の間に手をかざすと、わずかな隙間から暖かい空気が出ており温泉地を感じることができます。
4、最後に
今回、初めて生態系調査を実施し、北海道という寒い地域や温泉地ならではの植物を発見することができました。
ホオノキやイソツツジの葉のように料理に使用されているものや、触ると危険なものもあり、実物を見ながらその植物の用途や特徴を調べることでより、その植物に対する理解が深まりました。
ミズゴケやゼニゴケなどのコケ類は湿っているのか乾いているのか、見た目では判断できないため実際に触ってみることでその違いを発見できました。
今後も、時期や場所等条件を変えながら、登別温泉街周辺に生息する動植物について引き続き調査を行っていきたいと思います。
次回の生態系調査レポートにもご期待ください。
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